郷土ゆかりの企画展覧会
庄内の美術家たち18

開催要項
会期2023年 2月4日(土) ~ 3月5日(日)
休館日月曜日
開場時間9:00~17:30
※入場は閉場の30分前まで
観覧料一般200(160)円/高大生100(80)円/中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
内容

郷土の芸術文化史をたどり、庄内にゆかりのある作家を紹介する展覧会「庄内の美術家たち」では、これまで幕末から明治にかけて、地域で活動した洋画や日本画、書画の作家や活動について、時代を辿りながら紹介してきました。
シリーズ第18回となる今回は、平面に表された美術作品以外の活動にも目を向け、民衆に広く親しまれた工芸分野のひとつである「伝統こけし」について、現在の鶴岡市にあたる地域で活動していたこけし工人の作品を通じて、その起こりから今日に至るまでの様相を辿ります。

木地をろくろで挽き、顔や模様の描彩を施した「伝統こけし」を鶴岡で最初に広めたのは、福島県の土湯で生まれた阿部常松(明治元年-大正15年)で、明治36年までには温海に定住してこけしや木地玩具の制作を始めたとされます。
温海に至るまでに土湯や宮城県の青根、県内の蔵王高湯や山形などを経て培われた経験によって確立された常松のこけしは、独特なくびれのある胴の形やつぶらな丸い目などの特徴があり、その型は息子の阿部常吉(明治37年-平成3年)や孫の阿部進矢(昭和12年-)へ継承され、現在に至ります。

鶴岡で活動した工人は、経歴もこけしの容貌も多様であり、幼少期を宮城県の鳴子で過ごした秋山慶一郎(明治23年-昭和39年)は、修行後に蔵王高湯で就業した経験から、鳴子と蔵王高湯の特徴をあわせた重量感のある形体と華やかな描彩が特徴のこけしを作り、その型は息子の秋山一雄(昭和10年-平成3年)に引き継がれました。
温海で生まれた本間留五郎(明治42年-昭和49年)は、鳴子に修行に出でて、その後も兵役の間を除いて鳴子で木地を挽き、昭和16年に温海に戻ってからも鳴子の特徴を残したこけしを残しています。
元々鶴岡で茶道具や郷土玩具を木地で挽いていた五十嵐嘉行(昭和2年-)は、新型こけしの制作を機に60歳を前にして青森県の大鰐の工人のもとで本格的にこけしの修行を行い、素朴な表情と簡素な胴模様が特徴のこけしを現在も市内で制作しています。

本展覧会では、明治から現在に至るまでに活動した、阿部常吉、阿部進矢、秋山慶一郎、秋山一雄、本間留五郎、五十嵐嘉行などの伝統こけしに加え、その他に過去に鶴岡近隣で活動していた竹野銀次郎(明治13年-昭和5年)、岡村豊太郎(明治41年-平成5年)、阿部金治郎(明治21年-昭和40年)、大滝武寛(明治15年-昭和12年)、軽部留治(明治23年-昭和15年)の型を復元した、西川町大井沢の志田菊宏(昭和34年-)のこけしを合わせた約200点を展覧します。(文中工人名敬称略)

関連企画
  • ギャラリー・トーク
  • 内容当館学芸員が会場を案内し、作品解説を行います。
    ※事前にお申込みのうえ、当日エントランスホールにお集まりください。
    日時2月11日(土) 各日2回 
    ①10:00~ ②14:00~ ※各回30分程度。
    定員各回10名
    申込無料(要観覧券)
    2月4日(土)から開催前日までに、電話または館内受付にてお申込みください。(9:00~17:00 ※休館日を除く。)
    ※お一人様2名まで申込可(小学生以上1名)。
  • こけし収集家によるゲスト・トーク
  • 内容本展にご出品いただいた鶴岡市藤島のコレクター石黒清一氏をゲストに、展覧会場を一緒に回りながら、コレクションの要である温海の阿部進矢工人のこけしの魅力や収集の経緯などについてお話いただきます。
    ※事前にお申込みのうえ、当日エントランスホールにお集まりください。
    日時2月19日(日) 14:00~ ※30分程度。
    定員先着20名
    申込無料(要観覧券)
    2月4日(土)から開催前日までに、電話または館内受付にてお申込みください。(9:00~17:00 ※休館日を除く。)
    ※お一人様2名まで申込可(小学生以上1名)。
  • 阿部進矢工人によるゲスト・トーク
  • 内容本展出品工人の阿部進矢さんをお招きして、展覧会場を一緒に回りながら、ご自身の制作やこけしづくりの思い出などについて教えていただきます。
    ※事前にお申込みのうえ、当日観覧券をご用意してエントランスホールにお集まりください。
    日時2月25日(土)
    14:00~ ※30分程度
    定員先着20名
    申込無料(要観覧券)
    2月4日(土)から開催前日までに、電話または館内受付にてお申込みください(9:00 ~ 17:00 ※休館日を除く)
    ※お一人様2名まで申込可(小学生以上は1名)。
主催鶴岡アートフォーラム/鶴岡市教育委員会